膝
膝の悩み
変形性膝関節症、半月板損傷、靭帯損傷、大腿骨内顆骨壊死 など
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
レントゲンで変形した左膝関節を認める
変形性膝関節症は加齢、肥満、外傷などにより膝関節の軟骨がすり減ることで生じる疾患です。結果として膝関節の骨の隙間が狭くなり、骨棘と言ったトゲのような突起物が出来ます。中高年の女性に多く、痛みや腫れ、O脚などの膝の変形、動きにくさによる可動域制限を引き起こします。変形が進むと階段昇降や正座が困難になり、安静時痛や夜間痛を生じて歩行困難に至り、最終的には杖や車椅子が必要になることもあります。
人工関節置換術を行った左膝のレントゲン
治療としては鎮痛薬、ヒアルロン酸などの注射治療、装具療法、リハビリ療法(ストレッチ、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や膝関節周りの筋力強化、杖の使用)などの保存療法が基本ですが、疼痛が強く関節の変形が進んでいる場合は骨切り術や人工膝関節置換術などを検討します。
また最近では第3の治療として再生医療の一種であるPRP療法が注目されています。
半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
半月板損傷は膝関節のクッション材である半月板に亀裂や断裂が生じた疾患です。若年者はスポーツなどによる外傷により生じることが多く、中高年は加齢による変性より生じることが多いです。症状は膝の痛み、腫れ、引っかかり感がメインで切れ方によっては膝が動かなくなる「ロッキング」といった症状を引き起こします。レントゲンによる診断は困難でエコーやMRIを撮像します。
MRIで外側半月板のロッキングを認める
関節鏡でバケツ柄断裂を認める
治療としては鎮痛薬、ヒアルロン酸などの注射治療、装具療法、リハビリ療法(ストレッチ、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や膝関節周りの筋力強化)などの保存療法が基本ですが、切れ方によっては関節鏡を用いた半月板の手術(切除、縫合)を行います。
また最近では第3の治療として再生医療の一種であるPRP療法が注目されています。
靭帯損傷(じんたいそんしょう)
膝の靭帯損傷はスポーツや事故で膝の靭帯が伸びたり断裂したりする疾患です。膝関節には主に4つの靭帯(前十字靭帯:ACL、後十字靭帯:PCL、内側側副靭帯:MCL、外側側副靭帯:LCL)が存在し、前後左右への動きや、ねじれに対してストッパーの役割をしています。
損傷すると痛み、腫れ、不安定感(ぐらつき)が生じて放置すると将来的に変形性膝関節症のリスクが高まります。診断はエコーやMRIを用います。
前十字靭帯損傷を生じたMRI
関節鏡で引き抜けた前十字靭帯を認める
治療としては鎮痛薬、外固定、装具療法、リハビリ療法(ストレッチ、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や膝関節周りの筋力強化)などの保存療法を行い、ある程度の痛みや腫れは改善します。しかし、靭帯が断裂したことによって生じる不安定性の改善は損傷の仕方によっては困難であり、特にスポーツ選手などにおいては競技復帰のために早期の手術が勧められます。
大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)
大腿骨内顆骨壊死は、50代以上の方に多く、膝の内側の血流障害や半月板損傷、微小な骨折や負荷により歩行時や夜間の強い膝の痛みを生じる疾患です。痛みは3か月〜1年程度で徐々に落ち着くこともありますが、骨の壊死範囲が大きい場合や放置すると、数年で急速に変形性膝関節症が進行してと骨の陥没を生じることがあります。
レントゲンやMRIで早期診断を行います。
治療としては鎮痛薬、装具療法、リハビリ療法(ストレッチ、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や膝関節周りの筋力強化)などの保存療法が基本ですが、症状の強い場合や変形の悪化を認める場合は手術治療(骨切り術、人工関節置換術)を行います。
MRI(T2強調画像)で左膝の内側に信号変化を認める
MRI(T1強調画像)で左側の内側に限局した信号変化を認める
人工膝関節単顆置換術を行ったレントゲン
