腰
腰・背部の悩み
急性腰痛症(ぎっくり腰)、変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊椎側弯症、胸・腰椎圧迫骨折 など
急性腰痛症(きゅうせいようつうしょう ぎっくり腰)
急性腰痛症(ぎっくり腰)は突然腰に激しい痛みが生じて動けなくなる状態を示し、腰痛の原因となる代表的な疾患です。重い荷物を持ち上げた動作や、無理な体勢を取った時などの急な動作の際に筋肉や靭帯の微細な損傷が原因で、日常生活が困難になることもあります。
治療としては、多くは1~3週間で自然に回復しますが、悪化や慢性化することもありますので症状が強い場合は整形外科受診が必要です。痛みが強い場合は安静とともに鎮痛剤やコルセットによる外固定も行います。また、リハビリ療法(腰椎の牽引、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や動作の確認)を行いますが、最終的には痛くならないための自身でのセルフケアが重要になります。
変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)
変形性腰椎症は加齢や腰の負担などによって腰椎のクッションである椎間板がすり減り、骨が変形してしまい、腰痛やだるさ、足のしびれなどに悩まされる疾患です。原因は加齢、肥満、不良姿勢などありますが、原因が特定しにくいケースも多いです。進行すると仕事や家事の際に痛みがでるため、日常生活に支障をきたすようになります。
治療としては、痛みが強い場合は安静とともに鎮痛剤やコルセットによる外固定も行います。また、リハビリ療法(腰椎の牽引、マッサージ、リハビリセラピストによる筋力をつける運動療法や姿勢の指導)を行いますが、症状に応じた対症療法が一般的です。
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
MRIでL3/4とL4/5の狭窄を認める
腰部脊柱管狭窄症は腰椎部の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、その中を走る神経が圧迫され、下肢の痛みやしびれ感、麻痺(脱力) が発生する疾患です。進行すると足の筋力低下、歩行障害なども生じます。また、歩き始めは特に問題がないのに、歩行を続けていくうちに痛みや違和感が強まり、歩行困難になる間欠跛行(かんけつはこう)を生じます。症状が継続すると下肢の運動機能低下につながり、ロコモティブシンドロームになることがあります。
※ロコモの詳細についてはこちら
治療として症状が比較的に軽いときは薬物療法(内服、貼付)や装具療法(コルセット)を行います。また、リハビリ療法(腰椎の牽引、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や動作の確認)を行いますが、運動麻痺の症状が生じたり、筋力低下が進んでいる場合は手術療法を検討します。
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)
MRIでL5/S1に脊柱管内に飛び出たヘルニアを認める
腰椎椎間板ヘルニアは腰椎の間にあるクッションである椎間板の中身が飛び出し、近くを通る神経を圧迫することで、腰痛やお尻・足のしびれ、痛み(坐骨神経痛)、筋力低下などを引き起こす疾患です。原因は椎間板が悪い姿勢での仕事や運転などの繰り返される外力により変性、断裂して起こります。若い男性に多く見られますが、多くは自然治癒することもあります。
治療として症状が比較的に軽いときは薬物療法(内服、貼付)や装具療法(コルセット)を行います。また、リハビリ療法(腰椎の牽引、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や動作の確認)を行います。痛みが治らない場合、下肢の脱力、排尿・排便障害が生じる場合には手術が行われます。
腰椎すべり症(ようついすべりしょう)
腰椎すべり症は腰椎が本来の位置から前方にずれて神経を圧迫し、腰痛や足のしびれ、歩行困難などを引き起こす疾患で、腰椎分離すべり症(10~15歳頃の若年層に多い疲労骨折が原因)と腰椎変性すべり症(中高年に多い加齢によるもの)の2タイプが主です。
治療としては鎮痛薬や装具療法(コルセット)、リハビリ療法(腰椎の牽引、マッサージ、リハビリセラピストによる姿勢の指導や腹筋・背筋の強化)などの保存療法が基本ですが、症状が強い場合は手術も検討され、日常生活での正しい姿勢や負担軽減が大切です。
脊椎側彎症(せきついそくわんしょう)
脊椎側彎症は脊柱を正面から見た場合に、左右に曲がっている状態を言います。原因は原因のわからない特発性側弯症が80~85%程度を占めて、その他に多いものとして10歳以降の女性に多い思春期側弯症、中高年に多い変性側彎症が代表的です。症状は腰痛、足のしびれや痛み、歩行障害(間欠性跛行)、姿勢の悪化などがあり、進行すると神経圧迫(脊柱管狭窄症など)を合併し、重症化することもあります。
治療は鎮痛薬や装具療法などの保存療法を行い、変形が強い場合は手術治療も検討されます。
胸・腰椎圧迫骨折(きょうようついあっぱくこっせつ)
胸腰椎圧迫骨折は胸椎・腰椎が潰れるように折れる骨折で、骨粗しょう症が原因で骨がもろくなった高齢の女性に多く、尻もちや重い物を持つ、くしゃみなどの軽い衝撃でも起こります。若く健康な人に起こる胸腰椎圧迫骨折は、交通事故や転落などの強い外力によって起こることが多いです。主な症状は体を動かした時の腰や背中の激しい痛みで、進行すると背中が丸まったり(円背)、下肢のしびれ・麻痺、排泄障害などの神経症状が出ることがあります。
CTで第1腰椎の圧迫骨折を認める
MRIで第1腰椎の圧迫骨折を認める
治療は鎮痛薬やコルセット固定が基本ですが、不安定な部位で麻痺が生じる可能性が高い場合は手術が必要になることもあります。
